創作

リカちゃんとワタシ(2)

サトコの家は裕福だった。 兄が一人いた。兄は国立大学の医学部を卒業して医者になった。 サトコは大学に行かなかった。高校を卒業した後、家を飛び出して、恋人のサトシと同棲を始めた。 『家は窮屈だし、退屈だった。ワタシの居場所は無いと思った』 リカ…

リカちゃんとワタシ

サトコとリカは手をつないで歩いた。 道はどこまでも平らで、どこまでも続いていた。 サトコは鞄の中からANNA SUIのリップグロスを取り出して、リカの頬っぺたに、忍者ハットリくんのような渦巻きを書いた。 『どう、アフリカの儀式』 サトコはケタケタと笑…

御堂筋バスターズ Ep.2 寄生理論

二日酔いの体にコーヒーの苦味が染み渡る。体の疲れが透明な蛇になって俺の体の回りでトグロを巻いている。目の前には馬のマスクを被った女が一人。黒の丈の短いチュニックで、腰には幅のあるベルト、足元は膝上まであるブーツを履いている。そして、馬マス…

御堂筋バスターズ Ep.1 いい質問ね、斉藤君

コンクリートの地面に反射した朝日が皮膚を焦がし、セミの鳴き声が耳の奥で駆け回った。湿気と熱気が体にまとわりつき、一歩を踏み出すのも億劫だ。兎我野町のラブホテルを出て数分が経った。前頭葉に靄がかかり、思考がはっきりしないまま俺は歩き続け、木…

魔法少女まどか☆どうでしょう

大泉『なまら気味悪いじゃないの藤村君。』 藤村『さっきビルの隙間の結界くぐったでしょう。ここらはもう魔女のテリトリーなんですよ〜。』 鈴井『そこらじゅうにちっこい化け物がいるね。』 藤村『こいつらは使い魔といって、魔女の手下です。』 大泉『藤…

和民エンド白木屋オール

炭酸混じりの ダブルのジョニ黒 階段でゲロ吐く部長 (冗談混じりの 境界線上 階段のそのまた向こう) 先生意識もうないし、ねえ ほっといて店出ようか? (全然良いこともないし、ねえ その手を引いてみようか?) 散々つつかれたマグロを、そう、豚キムチ鍋に入…