一滴

水道の 蛇口に溜まった 水滴が ワタシを映して シンクに落ちる


カルピスの 瓶に溜まった 一適が 夏の終わりを 教えてくれる


味噌汁に 箸をひたして 上にあげ 落ちる水滴 それを見る祖父


目薬を さして眼を 見ひらいて 泣いてないよと 言い訳をした


仰向けに 倒れてもいい 目薬が 脳まで届いて くれるのならば


中庭の 池は凍って 白くなり 俺は5階で 石を構えた