私の集中力持続法

学生の頃からどうすれば深い集中力を得られるか、またそれを持続させることができるかを考えている。椅子に座り、パソコンのキーボードに手を添えて、さて何かを書こうという時に、一番問題となるのは自分の前に立ちはだかる作業に取り組むための集中力である。


俺は集中力が散漫になりやすい方だと思う。テレビを見る時もひどいときは10秒に一回くらいチャンネルを変えるし、本を読んでいる時も机の上の物の配置が気になってしょうがない。集中しすぎて気がつけば2時間経っていた、なんていう経験はほとんど無い。1秒に1回針が動く時計だって気になる。


インターネットをしている時の集中力は最悪である。ブラウザのタブを常時10個くらい開き、動画や画像を読み込む待ち時間には違うタブを開いてささっと文章を読む。読み込みが終わるころを見計らって、もといたタブに戻る。ウィキペディアのキーワード連環に飲み込まれて1時間ほど彷徨うこともある。


仕事をする時も集中力が必要である。ノートにタスクを書いて、上から順にこなしていくのだが、時間だけを浪費するような資料作りや内容のはっきりしないメールに返信するといったタスクにはなかなか腰が上がらない。兎にも角にもいつかどこかでやらなければならないのだが、脳は都合良く動いてくれない。ここぞという時の集中力がなかなか発揮できない。


最近実践している集中力持続法は、脳に余計な情報を入れないことである。


タスクをいくつか抱えていて、一つのタスクが終わった後に少し休憩という時に、例えばyahooニュースを見る。エリカ様離婚したんか〜、とか、モーターショーのお姉ちゃんかわええな〜、とか、タブをたくさん開きもって次から次へとニュースを読む。3分とか5分といった短い時間ではあるが、この休憩の時に投入した余計な情報によって脳はぐっちゃぐちゃになる。沢尻エリカと今日の日経平均株価とコンパニオンのお姉ちゃんの情報が脳の中を入り乱れ、自分が取り組むタスクがその雑踏の奥のほうに追いやられてしまう。こうなると、集中力を取り戻すのは至難の業だ。


集中力を持続させたい期間は余計な情報を入れないことが大切である。疲れたな、休憩したいな、という時は部屋の外に出て景色を見たり、綺麗な写真を見ると良い。情報を投入するよりも、景色や絵といった限られた情報から想像力を膨らませることで脳はクリーンな状態に保たれる。


脳に余計な情報が入ってしまったらどうするか。そのときは、目をつぶり、ごちゃごちゃと多様な色で塗られたキャンバスを黒板消しで掃除するイメージをする。または、船から飛びこみ、海の中に潜っていくイメージをする。黒板消しを動かしたり、海の中に潜っていく動作を丁寧にイメージするとより頭がすっきりする。新しい情報を投入するより、既に脳にストックされた情報を使って想像力を膨らませると良い。


雑多な情報が大量に入り込み、頭がチリチリし始めたら、手遅れである。景色を見ようが、おいしいものを食べようが、体を動かそうが、どうにもならない。集中力は拡散し、活字を読んでも右から左へするするとすりぬけてしまう。


この状態から回復する唯一の手段は寝ることである。自分の体の生理現象に任せて脳に入った情報をリセットしてもらう、または記憶に変換してもらう。昼寝のように短い時間の睡眠でも効果的である。


上記の事項を守り、脳をすっきりさせておくと、深い集中力を長時間持続することができる。夜の11時まで爽快な気分で労働することができる。疲れを知らない立派な社蓄の誕生である。

たわむれに 母を背負いて そのあまり 100mを 5秒で走る