年の瀬につき

12月30日に実家に帰った。新しいマンションに移って何度かメシを呼ばれたが、泊まったのは始めてだ。浴槽でうんと足を伸ばせる風呂が非常に良かった。


晦日は、朝から親父と注文していたおせちをとりに行った。雪が横に降る中を車で走り、近所の総菜屋でお重を受け取った。お昼過ぎになり、祖母を連れて東京から帰ってくる兄貴を迎えに新大阪へ。家族揃ったところで、難波に行き、年越しそばを食べた。去年までは家で市販の生のそばを茹でていたが、うまくいったためしがないので、今年は外で間に合わせることにした。


夕方になり、近所のショッピングモールへ行き、俺の出張で使うキャリーバック等を見る。喫茶店でコーヒーを飲んでいる時、隣に座った祖母と井上ひさしの一週間について話した。


家に帰り、今年最後の晩飯に鍋をつつく。普段飲まない日本酒を一杯飲むと、頭がくらくらした。格闘技、紅白歌合戦とテレビのチャンネルを切り替えて、最後は行く年来る年を観ながら年を越した。


年明け早々風呂に入り、うんと足を伸ばして浴槽に入る。窓についた露を指でなぞり、湯船の暖かさに幸せな気分になる。肩に湯をかけ、天井を仰ぐ。ああ。来年も再来年も、年の瀬がかくも穏やかでありますように。


【今日の短歌】
100万年 後の年の瀬に 太陽の 朱に染まる空 雲を食むヒト