太った

最近、腰まわりの肉が気になる。服を脱ぐと明らかに不要な肉がゼリーのようにふるふると震える。長らく痩せ型スレンダー青年で通していたのに、体躯から始まるおっさん化が着々と進んでいる。


この前、長らく掃いていなかったベージュのコーデュロイ生地のズボンに足を通してみると、止め具がしまらなかった。ダイエット食品の通販のCM等で見ることはあるが、まさか自分の身に起きるとは思ってもみなかったので、衝撃的だった。


自分の人生で一番太っていたのは小学生の時だ。夏休み中に暴飲・暴食に耽った所為で、痩せ型スレンダー少年は顔の丸い小デブちゃんにはや変わりしてしまった。水泳教室に行くと、コーチ連中から


『誰やお前は!』


と一様に関西人らしいリアクションをされた。このとき蓄えた肉は、第二次性徴に投入され、小デブ体型は解消された。


ここ最近のデブ化の主な原因はタバコを辞めたことだと思う。去年の夏頃から禁煙をしたのだが、明らかに食事の量が増えた。仕事の合間も、隙あらば飴やクッキーを食べている。彼女さんが残したものも、残らず平らげるようになった。


デブは嫌だが、運動するのもあまり気が進まない。時間が無いとかなんとか理由をつけて、自分の不精を正当化する。非常にまずい傾向である。体躯だけでなく根性までもおっさん化は進んでいる。


デブのラインが突破されれば、残るラインは禿げと加齢臭である。このラインは超えないよう、注意しておきたい。

デブじゃない。冬に備えて 栄養を 蓄えたんだ、 腰の回りに。